上塗りの話

錆や塗膜の割れなどは下塗りの不具合などで発生したりしますが、では下塗りだけをしっかりすれば良いかと言うとそんな事はありません。

塗膜の色調が変わってしまう"変色"や色味が薄くなってしまう"退色"、塗膜表面が粉化して消耗する"チョーキング"などは上塗りの不良による発生だと考えられます。
塗装で言う上塗りとはクリアー塗装の事ですが、配合不良による硬化不足や膜厚不足などによってそれらは起こります。そこに追い討ちをかけるように最も塗装に悪影響を与えるのが日々降り注ぐ紫外線です。

もともとクルマはそれらの過酷な状況に晒されているので、どの工程も大切な事がわかると思います。

塗装のお話

塗装と言っても実は下塗り、中塗り、上塗りと分かれていてどの工程も仕上がりに影響するのでとても重要です。

下塗りは料理で言うなら下ごしらえ、家で言うなら基礎とでも言えるのではないでしょうか。

下塗りは金属面に塗る塗料の事で、塗料の密着性を高め、クルマの場合防錆力が強い事が求められます。一般的にエポキシプライマーやウォッシュプライマーなどがその代表です。プライマーとはPRIMARY由来の"最初に塗る塗料"から来ています。下塗り塗料を総称してプライマーと言えますね。
そもそもクルマに使われている展伸材アルミや亜鉛メッキ鋼板は塗膜の付着性が悪いので最適なプライマーを使う必要がある訳です。亜鉛メッキ鋼板においてはメッキ部分が優先的に溶け出す(犠牲防食)特性があるため防錆性能は高いのですが反面処理が難しいといった側面があります。
とは言え輸入車(特に旧車)などは最適だと思われる下処理をしても不具合発生のリスクはゼロでは有りません。
それまでの使用環境(保管状況も)や過去の修理方法(適切な材料の選定、正しい使用方法)なども不具合として影響してしまいます。
ちなみに塗膜を剥がしたアルミ材は大気に触れて30分程で酸化すると言われています。材質の特性も知っておく必要がありますね。

作業順序は旧塗膜研磨後に鈑金→プライマーを塗って防錆性に優れた層を形成し→その上からパテで整形→サフェーサー塗布  

これが下塗りの工程です。こうして説明してみると単純なようですが実際のところは明確な正解はありません。それぞれのクルマによって試行錯誤しながら工程を行ったり来たりする事も珍しくありません。

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