瀬戸より入庫のトヨタカローラツーリング。まだ秋に購入したばかりの新車。ぱっとみたところ、どこを事故したのか、キズつけたのかわかりませんがルーフ後部に傷と凹み。

そして付いてたはずのアンテナはもげてしまっています!

車庫から出庫する際に確認せず車を動かしてしまい、ルーフに付くアンテナを上がりきっていないシャッターにぶつけてしまったそうです。アンテナが付く穴の周りの鉄板が引っ張られて伸びてしまっているのが分かります。
リヤゲートのすぐ手前の部分まで凹みがあります。

分かりにくいですが凹みの周りには20~30cm程の歪みもあります。
車をぶつけたり擦ってしまった際に、凹み自体は小さい場合でもよく見ると思ったより広い範囲が歪んでいたりします。
凹みだけでなく歪みもしっかりと直しておかないと、違和感のある仕上がりになってしまいます。

鈑金で十分に直りそうでしたので”クルマのダメージを最小限に”のポリシーで今回も交換ではなく、鈑金修理を選びました。
車も新しいですし、なんでも交換すればいいというものでもありませんからね。
それにルーフはなるべく交換しないほうが良い場所です。

とはいえ、軽い凹み程度なら表からの鈑金のみでも可能ですが、今回は凹みや歪みがそこそこあるのでキレイに修理するためにルーフの裏からの作業も必要になってきます。
短時間で簡単に直す方法とキチンと直す方法は同じじゃありません。
鈑金作業で出来るだけキレイに修正できれば、パテの範囲も薄さも少なく済みます。
鈑金はソコソコに後はパテを厚盛りなんてことをしていると、作業は早く済みますが後々ろくなことになりません。

さて、ルーフの裏からの作業となるとルーフライニング(天井に付く内張り)の取り外しが必要です。
ルーフライニングには様々な部品が付いているので、バイザーやルームランプ、アシストグリップ等を外してからでないとライニングは取れません。

部品は再使用しますので傷つけたりしないように、どうやって取り付けてあるか確認しながら慎重に外していきます。
ルーフライニング自体もちょっと無理をするだけで簡単に折れたりシワが入ったりするので慎重に!薄いうえに硬さもあるんです。
この車のルーフライニングは黒いですが、ベージュや白系のキレイな色のものは汚れが目立つので特に気を付けなくてはいけないんです。


そんなこんなでルーフライニングが外れました!

ルーフライニングを外すためだけに他にもピラーや後ろまわりの内張りなどなどの取り外しが必要なんです。
鈑金作業のためテールゲートもフロントウィンドウも外しました。
アンテナをひっかけただけなんですけど大仕事になってます。

鈑金中の写真を撮り忘れましたが(すみません!)、叩いたり、引っ張ったり、伸びた鉄板を絞ったりして元の形に近づけていきます。
分かりにくいですが最初の歪の大きさからするとサフェーサーの入った範囲は随分小さく済んでいます。

ルーフはとくにプレスラインなどの凹凸が少なく、のっぺりしたパネルで歪みが目立ちやすいので注意して作業しました。

新品のアンテナを取り付けて、外したゲートやルーフライニングを元に戻したら完成です!
凹みはもちろん、すかして見たときに不自然な波もなくキレイに仕上げられたと思います。雨の日の納車になってしまったため、わかりにくいですが。

「大変なことをしてしまった!直りますか?」と心配していたお客様も満足していただけました。

シャッターはもう閉めないでね。

皆さんもぶつけてしまったらYKBを思い出してねぇ~